洗濯機のドブ臭さやカビ臭さ対策に欠かせないのが、洗濯槽クリーナーです。しかし、ドラッグストアなどに行くと、様々な種類のクリーナーが並んでおり、どれを選べば良いのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。洗濯槽クリーナーは、主成分によって大きく「塩素系」と「酸素系」の二つに分類でき、それぞれに特徴と得意な汚れ、そして注意点があります。まず「塩素系クリーナー」です。主成分は次亜塩素酸ナトリウムで、強力な酸化作用と殺菌力を持っています。最大のメリットは、カビを根こそぎ分解・除去する能力の高さです。目に見えないカビ菌までしっかりと殺菌してくれるため、特に黒カビによる臭いが気になる場合に高い効果を発揮します。また、冷たい水でも効果があり、つけ置きの必要がない製品が多く、手軽に使える点も魅力です。一方で、デメリットとしては、特有のツンとした塩素臭があること、衣類に付着すると色落ちの原因になること、そして酸性タイプの製品(お酢やクエン酸など)と混ざると有毒な塩素ガスが発生するため、絶対に併用してはいけないという注意点があります。次に「酸素系クリーナー」です。主成分は過炭酸ナトリウムで、水に溶けると活性酸素を発生させ、その発泡力で汚れを剥がし取ります。メリットは、塩素系のような強い臭いがなく、環境への負荷も比較的少ないことです。剥がれた汚れ(黒カビなど)が目に見えて浮いてくるため、「掃除した!」という実感を得やすいのも特徴です。皮脂汚れや石鹸カスの除去にも効果があります。デメリットとしては、効果を最大限に引き出すためには、40度から50度程度のお湯を使用し、数時間のつけ置きが必要になる場合が多いことです。また、塩素系ほどの強力な殺菌力は期待できないため、カビの「除去」というよりは「剥がし取る」イメージに近いです。どちらのクリーナーが「最強」かは、一概には言えません。カビを徹底的に殺菌したい、手軽に使いたい場合は塩素系、強い臭いが苦手、汚れ落ちを目で確認したい、環境への配慮をしたい場合は酸素系、というように、目的や状況、好みに合わせて選ぶのが良いでしょう。汚れがひどい場合は、まず塩素系でカビを殺菌し、その後定期的に酸素系で汚れを剥がし取る、といった使い分けも効果的です。大切なのは、どちらのタイプを使うにしても、月に1回程度を目安に定期的に使用し、洗濯槽を清潔に保つことです。
投稿日