洗濯機から漂うドブのような嫌な臭いは、主に洗濯槽の裏側や排水経路に蓄積した汚れと雑菌の繁殖が原因です。この不快な臭いを根本から解消するためには、ポイントを押さえた掃除が不可欠です。まず、最も重要なのが洗濯槽の洗浄です。市販の洗濯槽クリーナーには、大きく分けて「塩素系」と「酸素系」の２種類があります。塩素系クリーナーは、強力な殺菌力でカビを分解除去するのが得意です。使用方法も比較的簡単で、クリーナーを入れて標準コースや槽洗浄コースで回すだけという製品が多いです。ただし、ツンとした塩素臭があり、酸性タイプの製品と混ぜると有毒ガスが発生するため、取り扱いには注意が必要です。一方、酸素系クリーナーは、発泡力で汚れを剥がし取るタイプです。強い臭いはありませんが、効果を発揮させるためには、４０度から５０度程度のお湯を使用し、数時間つけ置きする必要があります。剥がれた汚れ（黒カビなど）が目に見えるため、掃除効果を実感しやすいのが特徴です。どちらのタイプを選ぶかは、汚れの程度や好みに合わせて選択しましょう。月に１回程度の定期的な槽洗浄が理想的です。次に、見落としがちなのが「糸くずフィルター（ゴミ取りネット）」の掃除です。ここには洗濯中に出た糸くずや髪の毛が溜まります。放置すると雑菌が繁殖し、臭いの原因になるだけでなく、フィルターの詰まりは洗濯効率の低下にも繋がります。洗濯の都度、溜まったゴミを捨てる習慣をつけ、時々はブラシなどで水洗いしましょう。さらに、「洗剤投入ケース」も意外と汚れています。洗剤や柔軟剤の溶け残りが固まり、カビが発生しやすい場所です。取り外せるタイプであれば、定期的に外してブラシで洗い、しっかり乾燥させましょう。そして、臭いの大きな原因となりうるのが「排水ホース」と「排水口（排水トラップ）」です。排水ホースの内部にはヘドロ状の汚れが溜まりやすく、排水口のトラップ部分にも髪の毛や洗剤カスが蓄積します。ホースを取り外して内部を洗浄したり、排水口のトラップを分解して掃除したりすることも、臭い対策には非常に効果的です。これらの箇所を定期的に掃除することで、洗濯機の嫌な臭いを撃退し、清潔な状態を保つことができます。
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