マンションの壁から聞こえる声、水漏れが教えてくれた家族の温もりと、見えない繋がりの大切さ

ある日、子供たちが寝静まった後、静かにテレビを見ていた時のことだった。ふと、壁の方から、かすかな水音が聞こえてきた。北区でも排水口を交換する水道修理 からは最初は気のせいかと思ったが、耳を澄ますと、やはり水が滴るような音がする。まさか、水漏れ…? マンションに住んで10年。これまで水漏れとは無縁だったが、いつ自分の身に降りかかってもおかしくないと思っていた。 恐る恐る壁に近づき、触ってみると、ひんやりと湿っている。やはり、水漏れが発生してしまったようだ。 慌てて管理会社に連絡すると、時間外だったため、緊急連絡先に繋がった。状況を説明すると、担当者は落ち着いた声で、まずは応急処置の方法を教えてくれた。 指示されたのは、水漏れ箇所の下にバケツやタオルを敷き、被害の拡大を防ぐこと。そして、可能であれば、上の階の住人に連絡を取り、水の使用を控えてもらうことだった。 急いでバケツやタオルを用意し、水漏れ箇所の下に敷いた。そして、上の階の住人に電話をかけた。幸い、上の階の住人は在宅しており、事情を説明すると、すぐに水の使用を控えてくれた。 しかし、水漏れはなかなか止まらない。不安な気持ちを抱えながら、夜が明けるのを待った。 翌朝、管理会社から連絡があり、専門業者が派遣されることになった。業者による調査の結果、水漏れの原因は、上階の給水管の老朽化によるものであることが判明した。 上階の住人は、高齢の夫婦二人暮らし。今回の水漏れについては、大変申し訳なさそうにしていた。 修理費用は、上階の住人が加入している火災保険で対応することになった。しかし、修理期間中は、我が家は水を使用することができなくなる。 困っていると、上階の住人が、「よかったら、うちのお風呂やトイレを使ってもらって構いませんよ」と声をかけてくれた。 突然の申し出に、私は戸惑ってしまった。ほとんど面識のない人から、そんな親切にしてもらうのは、申し訳ない気がしたからだ。 しかし、上階の住人は、「困った時はお互い様ですから。気にしないでください」と笑顔で言ってくれた。 その言葉に、私は救われたような気持ちになった。そして、今回の水漏れ騒動を通して、家族の温もりと、見えない繋がりの大切さを改めて認識した。 水漏れは、誰にとっても避けたいトラブルだが、万が一発生してしまった場合には、冷静に対処し、周りの人に助けを求めることが大切だ。そして、困った時にはお互い様という気持ちで、助け合える関係を築いていくことが、豊かなマンションライフを送るための秘訣だと信じている。