環境意識の高まりとともに、オール電化住宅などで普及が進んでいるエコキュート。空気の熱を利用してお湯を沸かす効率的な給湯システムですが、このエコキュートも他の給湯器と同様に、大量の水漏れトラブルに見舞われる可能性があります。エコキュートの構造を理解し、特有の水漏れ原因と注意点を知っておくことが大切です。エコキュートは、主にヒートポンプユニットと貯湯タンクユニットの二つから構成されています。ヒートポンプユニットで空気中から熱を集めてお湯を作り、それを貯湯タンクユニットに貯めて保温し、必要に応じて各所に給湯する仕組みです。大量の水漏れが発生しやすいのは、主に貯湯タンクユニットとその周辺の配管です。貯湯タンクユニットには、常に大量のお湯が貯められています。このタンク本体や、タンクに接続されている給水管、給湯管、追い焚き配管などの接続部から水漏れが発生することがあります。原因としては、やはり経年劣化によるパッキンの損傷や配管の腐食、接続部の緩みなどが挙げられます。また、エコキュート特有の部品である「減圧弁」や「安全弁」の故障も水漏れの原因となり得ます。これらはタンク内の圧力を適切に保つための重要な部品ですが、故障するとタンク内の圧力が高まりすぎたり、逆に弁が開きっぱなしになったりして、水やお湯が漏れ出し続けることがあります。特に安全弁は、タンク内の圧力が異常に高くなった際に、破損を防ぐために意図的に水を排出する機能を持っていますが、これが故障して正常な状態でも水が出続けることがあります。冬場の凍結も、エコキュートの水漏れの大きな原因の一つです。ヒートポンプユニットと貯湯タンクユニットを繋ぐ配管や、貯湯タンク周りの配管が凍結し、破裂することで大量の水漏れが発生します。エコキュートは屋外に設置されることが多いため、特に寒冷地では十分な凍結対策が必要です。エコキュートから大量の水が漏れているのを発見した場合の初期対応は、他の給湯器と同様です。まず、貯湯タンクユニットの止水栓を閉めます。そして、エコキュートの電源(ブレーカー)を切ります。その後、速やかに専門の修理業者に連絡し、状況を伝えましょう。エコキュートは内部構造が複雑で、電気系統も絡むため、DIYでの修理は非常に危険です。必ず専門知識を持った業者に点検・修理を依頼してください。
エコキュートから大量水漏れ注意