水道のつなぎ目からの水漏れ。一見単純なトラブルに見えますが、その原因は様々です。私たちプロは、水漏れの状況や場所、音などを注意深く観察し、経験と知識に基づいて原因を特定していきます。ここでは、プロがどのように水漏れの原因を探っていくのか、そのポイントをいくつかご紹介しましょう。まず、水漏れが発生している「場所」を正確に把握します。蛇口のハンドル部分なのか、吐水口の先端なのか、それとも蛇口本体とシンクや壁との接地面(根元)なのか。あるいは、シンク下の給水管や排水管の接続部分なのか。場所によって、疑われる原因は大きく異なります。例えば、ハンドル部分からの水漏れなら、内部のパッキンやカートリッジの劣化が濃厚です。吐水口からのポタポタ漏れも、コマやパッキンの問題が多いでしょう。蛇口の根元からの漏れは、内部カートリッジの異常や、取り付けナットの緩みなどが考えられます。シンク下の給水管つなぎ目なら、ナットの緩みやパッキン劣化が、排水管つなぎ目なら、接続不良やパッキン劣化、あるいは排水管自体の詰まりなども疑います。次に、「水漏れの仕方」を観察します。ポタポタと滴り落ちる程度なのか、ジワジワと滲み出ているのか、それともシューッと噴き出しているのか。漏れ方によって、原因箇所の特定や緊急度を判断します。また、水(お湯)を使っている時だけ漏れるのか、使っていない時も常に漏れているのかも重要な情報です。常に漏れている場合は、給水管側(水圧がかかっている側)の問題である可能性が高いです。水漏れ箇所周辺の「状態」もチェックします。接続部分にサビや腐食、白い水垢(カルキ)などが付着していないか。ナットに変形や緩みはないか。蛇口本体にグラつきはないか。これらの状態から、経年劣化の度合いや、物理的な問題の有無を推測します。場合によっては、「音」も手がかりになります。シューという音がしていれば、比較的水圧の高い箇所からの漏れが考えられますし、壁の中から水の流れる音が聞こえる場合は、壁内配管からの漏水を疑います。これらの情報を総合的に判断し、最も可能性の高い原因を絞り込んでいきます。そして、必要に応じて部品を分解し、内部の状態を確認して原因を確定させます。例えば、パッキンを目視で確認し、ひび割れや硬化があればそれが原因と断定できます。
プロが解説つなぎ目水漏れの原因特定法