バリウム検査を安全に終えるためには、検査そのものだけでなく、検査後のセルフケア、特に「排便の管理」が極めて重要です。検査機関で渡される下剤は、単なる便秘薬ではなく、体内で硬化する性質を持つバリウムという異物を、健康被害が起きる前に速やかに体外へ排出させるための「必須医薬品」です。医師や看護師の指示通りに、必ず指定された量を服用してください。下剤の効果には個人差があり、すぐに便意を催す人もいれば、数時間かかる人もいます。焦らず、しかし便意を感じたら我慢せずにトイレに行くことが大切です。そして、下剤の作用を助け、バリウムが腸内で固まるのを防ぐために、最も効果的なのが「十分な水分補給」です。検査当日から翌日にかけては、意識的に水やお茶、スポーツドリンクなどを、普段よりも多めに(1.5リットルから2リットルを目安に)飲むように心がけましょう。アルコールは利尿作用によって体内の水分を奪ってしまうため、バリウムが完全に排出されるまでは控えるのが賢明です。通常、検査後2~3日以内には、白いバリウム便が全て排出され、普段通りの色の便に戻ります。しかし、もし検査後2日以上経過しても全く排便がない、あるいは激しい腹痛や吐き気、お腹の張りといった症状が現れた場合は、バリウムが腸内で詰まっている「バリウムイレウス」の可能性があります。この状態は自然に治ることはなく、放置すれば危険な状態に陥るため、「そのうち出るだろう」と様子を見るのではなく、直ちに検査を受けた医療機関、または最寄りの消化器科へ連絡し、指示を仰いでください。